紙面では国内の情報に続き、海外の情報を知ることができます。マクロ経済です。
- 外国の景気や政治はどうなっているのか
- 海外からは、日本がどのように映っているのか
など、“世界の大きな潮流とその中の日本”を知ることができるのが国際・アジア面、国際面、アジアBiz面、グローバル市場面です。潮目を読む前に、全体を俯瞰することから始めましょう。曜日によって掲載内容が異なるので、知りたい情報がいつ掲載されているのかを知っておけば、効率よく読むことができます。
国際・アジア面|アジアの”いま”が分かる
中国やインドをはじめ、アジアの勢力は拡大していて、北米、ユーロ圏に次ぐ第3の経済圏がアジアです。日経新聞では、国際面の一部をアジアに特化した情報として、注目の企業、文化、政治や経済政策を毎日のように掲載しています。
曜日ごとに短いコラムがあるので、興味のあるテーマを選んで読み続けると、アジア各国の今を知ることができます。
土曜日はビジネス・アジアBiz面となっていて、とくに企業情報や投資情報が充実しています。アジアの企業と取引のある場合には、為替レートの動きにも注意が必要です。
アジア情報については各国に駐在している記者の“アジアから見た日本”がわかるので、私たちが見逃しがちな視点にも気づかされます。
《ASEANに注目》
東南アジア10か国で構成されるASEAN(東南アジア諸国連合)は、1967年「バンコク宣言」によって設立されました。当初は、自由貿易協定など経済協力に取り組んできましたが、2015年には、経済のほかにも安全保障や文化などの統合を深める共同体になりました。
ASEANは、過去10年間に高い経済成長を遂げて、この地域の潜在力に注目が集まっています。
日本とも協力関係を築いていて、毎年外相会議が開かていることから、アジアの情報が多く入ってきています。
かつては企業情報が中心だったアジアBiz面が、国際面の一部として国際・アジア面になったことからも、アジアの経済情報に注目すべきだということがわかりますね。
《日曜日は読み物として》
金曜日と日曜日のNIKKEI Asiaでは、特派員から“アジアの動き”がわかります。さらに、日曜日のNIKKEI Asia Opinionでは、“アジアから見た世界”について考えるコラムがあります。日曜日の紙面は、自分の意見と日経新聞の意見と比較しながら、読み物として活用すると情報感度が上がります。
国際面|海外情報で日本への影響を俯瞰
海外の「ヒト・モノ・カネ」に関する記事が掲載されています。各記事がどの情報に関するテーマなのか、「ヒト」「モノ」「カネ」のうち、興味ある分野をひとつ選んで読み始めると読みやすくなります。
- ヒト情報 : 政治家の動き、政治家の集まり(会議)、企業動向(雇用・労働)
- モノ情報 : エネルギー、環境、消費
- カネ情報 : 銀行、金利、給与
《同じ面でも左右で掲載されている情報が違う!》
もうひとつ、国際面を読むときにラクに内容がつかめるとっておきの方法をお教えしましょう。それは、右面と左面で掲載さている情報が違うことです。日によって少し違いますが、だいたい
- 右ほど速報
- 左ほど詳報
と構成されています。国際面を開いたら見出し(トップ記事は前文も)を確認し、どのような構成になっているか確認しましょう。それが分かれば読みやすくなります。
ほかにも、大切なニュースをコンパクトにまとめた記事(ベタ記事)や、イギリスからみた世界情勢「FT」、プロフィールつきの専門家の意見など読みやすい記事が満載です。
《略語の連続》
国際情報の記事を読むときに気になるのが略語です。
TPPやRCEPなど、組織や仕組みに関する言葉です。ビジネスパーソンとしてはどの言葉も意味を理解しておかないと、恥ずかしい思いをするかもしれません。どの地域の話題なのか、どういった課題についての話題なのかを理解しておけば、自分なりの問題意識をもって読み進めることができます。
グローバル市場面|国際市場の情報一覧
今や、日本市場は海外(とくにニューヨーク取引所)の影響を受けて相場が決まると言っても過言ではありません。東京市場はニューヨーク市場のミラー相場(まる写し)と呼ばれるくらいです。
私たちがスーパーなどで手に取る商品をはじめ、銀行預金の金利も、株価もすべて海外の情報を確認しておく必要があるんです。
《その情報をどこで確認するのか?》
夕刊(マーケット・投資面)で詳しい情報を確認できます。国際市場の動向を知っているのと知らないのとでは、経済に対する感度が大きく異なります。2021年5月10日の紙面刷新以降はグローバル市場面にて、世界の株式・債券・為替・商品市場の情報を確認できるようになりました。
月曜日は、前週のまとめとして、株式、金利、為替、商品の代表的な指標について、解説つきで結果を知ることができます。商品市場を代表するCRB指数については、あまり有名ではありませんが、私たちの暮らしに大きな影響を与える重要な指標で、アメリカの物価を象徴する指標です。必ずチェックしておきたい項目のひとつです。
火曜日~土曜日は、前日の動きをグラフで確認できます。夕刊一面のWORLD MARKETSや、マーケット・投資面よりもわかりやすくシンプルにまとめられています。景気が良い(上向き)か、良くない(下向き)か視覚的に理解できるので、初心者にはとても理解しやすいです。
さらに詳しく、あるいは専門家の意見を知りたい場合には、短くコラムに掲載されているので原因分析や、動向予測に役立てることができるのも嬉しいです。
《もっともっと情報を得たい場合は?》
日本市場のことについてもっと詳しく知りたい場合には、朝刊のマーケットデータ面やマーケット総合面で、国際市場については夕刊のマーケット・投資面で確認できます。これらについては改めてお話します。
金融市場の詳しい情報を得るには、どんな情報を知りたいかによって探し方が変わります。結果だけを知りたい場合にはマーケットデータ面、グローバル市場面を確認するだけで構いませんが、その原因を探るにはもっと多くの紙面と併せて読む必要があるんですね。
まとめ
世界を俯瞰するには以下のページが役に立ちます。
- 国際・アジア面 アジアのいま
- 国際面 世界の潮流
- グローバル市場面 国際市場の情報一覧
つづく。
(注)本記事は2021年6月2日にnoteに投稿した記事を現時点(2022年5月現在)での紙面構成に変更・修正し、追記したものです。