これまで見てきた経済指標ダッシュボードの指数ですが、これらを合体させ、「これからの景気がどう動くのか」を示すのが景気動向指数です。
3種類のうち、2種類が大切
景気動向指数は、生産、雇用など様々な経済活動での重要かつ景気に敏感に反応する指標の動きを統合することによって、景気の現状・将来を予測できます。
個人として生活を営むにも、投資家としても全く同じことです。法人の代表となればなおさらです。
景気動向指数には、コンポジット・インデックス(CI)とディフュージョン・インデックス(DI)があります。 CIは景気変動の「大きさやテンポ(量感)」、DIは改善している指標の「景気の各経済部門への波及の度合い」を測定することを主な目的としています。 景気に対し先行して動く先行指数、ほぼ一致して動く一致指数、遅れて動く遅行指数の3本の指数があります。全てが経済指標ダッシュボードに掲載されているわけではありませんが、先行指標と一致指数の代表的なものは数値の動きを確認しておきたいものです。
アメリカの景気
海外の景気について、定点観測するとしたらそれはもちろんアメリカです。世界一の経済大国アメリカの動向について中央銀行の総裁や大統領の発言はもちろんのこと、定期的に発表される指数が、市場や景気に大きな作用を働かせるからです。
アメリカの景気を確認するには、日本と同じように「ヒト・モノ・カネ」この3つの情報を得ることです。
■国全体
GDP(国内総生産)の比較については実質値で行うことで、それぞれの国の成長率や実力を知ることができます。日本だけで言えば、名目値と実質値が表示されているのでその大小を比較することでインフレなのか、デフレなのかをすぐに確認できましたよね。
同時に消費者物価により、実際のインフレ・デフレの状況を知ることができるわけです。
雇用に関して日本では失業率や求人倍率が重要視されます。もちろんそれらを確認することも大切です、アメリカの場合には「非農業部門雇用者」が重視されます。企業の業績、あるいはこの先の見通しが即座に反映されるためです。
個人消費については、消費者物価指数も景気の目安となります。インフレターゲットは日本同様2%ですので、どの程度の水準を実現できているのかで、アメリカの景気を知ることができます。
■4つの市場
アメリカの市場に関するデータは、債券市場「10年国債の利回り」だけで十分です。株式市場など他の市場も気になるところですが、日本と同様に「お金の分岐点・基準」を知ることが最も重要です。ましてやアメリカの経済は、日本の何倍もの規模があります。
毎日必ず紙面にも掲載があるので、大まかな相場観をもっておくことと、気になるタイミングでひと月に1度は確認するクセをつけておきましょう。変化点を見つけること、その原因を知ることが近道です。
<まとめ>GDP(支出面の構成)を読む
- 日本のGDP(支出面)の構成
- 各要素を構成する指標と、その発表のタイミング
気になるところから、定期的にチェックすることから始めてみましょう。慣れてきたら「先行指標」から先読みする練習を。
つづく。