新年の紙面は「今年を予想する」特集記事が多くあります。投資家だけでなく、私たちの暮らしに影響することにも注目したいです。
年間企画
年間企画は、日本経済新聞が“その年を映す鏡”として、注目すべてキーワードを暫時紹介しています。大きな技術革新であったり、仕組み・制度の変更、私たちの暮らしを取り巻く“モノ”の変化など、その年によってテーマの種類が大きく変わります。
いずれにしても、時代の波に乗り遅れないように、確認する必要がありますね。元日の1面に掲載されますが、それ以降は関連記事として他のページにも掲載されることがあります。
《2022年のテーマは「成長の未来図」》
資本主義がどうなのるのか、豊かさとは何か。
「何かを取り戻す」「復活を目指す」など、過去をヨシとする見出しが並びますが、そもとも閉塞感に包まれた日本の経済が活力を取り戻すために必要なことは、過去に戻る必要があるのかも、考える必要がありそうです。年間企画は、元日の1面で「日経新聞の想い」を知ることができます。
《温故知新》
私個人は、スマホもインターネットもない時代に生まれ成長してきた世代です。電話先で「取り次いでもらう」ことが当たり前。情報源は「テレビや雑誌、新聞、そしてラジオ」。買い物は近所の商店巡り。それを不自由とする人がいても構いませんが、人が人と接触することが対話の基本だと思っているので、少しずつでも継続したいと考えています。
他者との意見の違いについて、匿名で書き込むのではなく、直接会話することで分断を回避できると信じています。それこそ、個人・社会の成長ではないでしょうか。
新年の紙面構成|今年の予想には、去年の振返りも大切
年間企画のほかに、どのような記事があるのか確認します。どれも、大切な情報です。
《年間予定》
2022年はどのような政治・文化・経済イベントを控えているのか知ることができます。年間予定は元日の紙面で確認できます。特集記事として掲げたのは、以下の通りです。
- 参院選勝てば長期政権へ道 【国内政治】
- 米中間選挙、バイデン氏背水 【国際情勢】
- 習政権、もろ刃の「共同富裕」 【国際情勢】
- withコロナ 感染封じ総力 【国民生活、医療体制】
- 金融正常化 コロナ下の模索 【世界の金融市場】
- グリーン金融 拡大の時 【投資環境、SDGs】
- リスキリングでDX攻略 【人材育成;学び直し】
- パパの育休 カイシャが応援 【社会保障政策;改正育児・介護休業法】
日本の変化、世界の動向を知ることで、私たちの暮らしへの対応力、投資環境の理解へとつながります。どれも大切な情報です。併せて、日本・アメリカ・欧州の中央銀行の会議日程も確認しておくと良いですね。
2018年の例ではありますが、近年とくにFRB(連邦準備制度理事会)終了後の議長会見を受けて株式市場が大きく反応することが分かります。先読みがしにくい昨今、中央銀行のトップなどが発言すると、とくに株価に影響が大きいと言えます。
どのような発言をするかを予測することで、大きな利益を獲得できたり、損失を回避できるはずです。アメリカはもちろん、日本総裁トップ(現在・黒田総裁)の発言には注目が集まります。
《経営者が占う株価、景気》
大企業のトップが
- 株式市場(日経平均、注目銘柄)
- 景気(GDP成長率、ドル円相場)
をどのように見通しているか、それぞれ20名の調査結果を掲載しています。元日の紙面、中央の見開き付近に掲載があります。ここでは、
- 想定値にて経営戦略を立てる
- 想定外の場合、どのような対応策があるか
がポイントです。各業界の動向に対して、個別企業がどのような戦略を検討しているかを知れば、場合によっては投資のチャンスと言えます。
《トップ人事注目は》
大企業のトップが交代するのか、交代するとどうなるかを予想しています。人事のなかでもトップの交代は、企業経営の方向性が変更される可能性を意味しているので、後継者の所属や貢献度を注目したいところです。
もちろん「続投」という判断もあります。続投が悪いわけではありませんが、あまりに長期となると何かと不祥事を招きやすいため、判断の分かれるところかもしれません。
「トップ人事注目は」は、1月3日~5日あたりに掲載されることが多いです。
《今年の金融カレンダー》
マーケット環境がどう変化するか、注目のイベント記事が並びます。2022年に予定されている金融カレンダーでは、東京証券取引所の新市場区分やデジタル通貨の展開など、転換期を予感させるイベントが続きます。
株価が云々より、仕組み・体制がどう変化するかを知るネタですね。決して軽んじることなく、金融業界全体の動きを知ることも時代の波と言えます。
金融カレンダーは、1月3日~5日あたりに掲載されることが多いです。
《証券関連指標》
2021年の日本・海外の株価指数を振り返ります。東証4市場の月別株価指標のほか、先物・オプション、信用取引、そして投資家別の売り/買い動向も分かります。東京市場の株価は、「誰」の「いつ」の取引が左右するかを知ることができますね。
過去を振り返ることは、今年の先読みにも繋がります。季節性、突発性によるものや地政学によるものなど判断材料をどのように理解するか、問われます。
これらの一覧は、1月3日~5日あたりに掲載されることが多いです。テレビ欄の下など、見逃しやすく、電子版には掲載が無いので、ぜひ新聞を購入して切り抜いておくようにしています。
《主要30業種の天気図》
四半期ごとに公表される天気図ですが、新年1~3月の予測は通常、年明けに発表がありますが、今回はすでに2021年12月6日に発表がされています。※これまでは1月、4月、7月、10月の初旬に発表されていました。今後変更されるのか調査中です。
この30業種の天気図を数値化したものが「日経産業天気インデックス(日経DI)」です。日銀短観の業況判断に似た動きをするとされているので、要注目記事です。なかでも大切な産業は、以下の通りです。
- 代表産業(自動車、旅行・ホテル、アミューズメント、マンション・住宅)
- 小売業(百貨店、スーパー、コンビニエンスストア)
- 貿易関連業(プラント・造船、貨物輸送)
ほかにも興味にある業界があれば動向を追い続けるのが良いですね。
《年間株式》
2021年の上場株式(個別銘柄)の変動を振り返ることができます。手持ちの銘柄がどのような動きになったのか、年末に確認しておくことも大切な作業です。2021年12月31日に掲載がありました(年によって掲載日が異なります)。
どのような一年にするかは、自分の行動次第
以上、年末年始の紙面で大切な記事を紹介しました。投資をする際の判断材料になるだけでなく、暮らしの変化も捉えることができるので、1年間大切に保存しておくのが良いでしょう。今年がこれまで以上に良い年でありますように。
(注)※本記事は2022年1月7日にnoteに投稿した記事を現時点(2022年5月現在)での紙面構成に変更・修正し、追記したものです。