かつて、月曜日の主力紙面のひとつであった景気指標面は、経済指標ダッシュボードとして、電子情報になりました。2016年6月23日から、視覚的要素を重要した構成として公開され、データの加工や検索が充実しました。
しかし残念なことに、一覧性がなくなり、データの連動性が分かりにくくなってしまいました。そこで、データの連動性を理解したうえで、先読みにもつながる“景気指標の正しい読み方”をお話します。
景気指標は、日々の情報を束ねたデータです。目的に応じで、前月と比べたり、前年と比べたりすることで、大きな流れを理解することができます。
景気指標は新聞代以上の価値を生む
景気指標は、単に眺めているだけだと単なるグラフであり、数字の羅列です。しかし、数字の意味をしっかりと理解して上手に読むことができれば新聞代以上の価値を手に入れることができます。
景気指標を読むには、冒頭に話した「鳥の目」と「魚の目」が必要です。
鳥の目は、どこでどんなことが分かるのか、何が起こっているのか遠巻きに観察する目です。一方の魚の目は、どのような変化が起こっているのか流れを観察する目です。経済指標ダッシュボードは過去5年分のデータを知ることができます。
「回復基調の時期」「停滞時期」を確認しながらその理由まで考えることをお勧めします。
景気指標を読むための4ヶ条
❶3か月まではダマシ
投資用語に「ダマシ」という言葉があります。株やFXなどで自分に有利なサインが出て売買しても、相場が思った通りにならないことを言いますが「ダマシ」は、景気指標にも出現します。数字が良くなっても悪くなっても、まずは、3ヶ月を目安にその傾向が続くのかを見極めましょう。
数値の大小やケタが変わるような場合、大きな変化として捉えることができます。しかしその傾向が3か月を超えて続くまでは、一時の不確定要素だと考えましょう。本当の変化は3ヵ月を超えてからはっきり表れてきます。▲(マイナス)がついたりプラスに転じたりするのも同じことです。
❷いつと比較しているのか?
各指標はいつと比較しているのか、必ず確認しましょう。前年比なのか、前月比なのか。これを誤ると、どんな傾向なのか全く分からなくなってしまいます。
指標の多くはたとえば「2015年=100とする」など、基準年に対する変化を示しています。この場合、「基準年にくらべて良い数字なので景気が上向き」とは言えません。基準年が景気の上向き時期なのか、基準年が景気の停滞期なのかによって、現状の判断が変わるからです。
❸過去の情報から先を読む
景気指標からは、いろいろなことが分かります。ただし、過去の情報しかありません。そのため、観測したデータから先を読む力が必要になります。まず、あなた自身がどのような情報を知りたいのか目的をもって観測することが大切です。
❹つながりを知る
1つの指標だけを眺めるのではなく、ほかの指標との関連を確認しながらだとわかりやすくなります。
つづく。