数々の資格試験を受けてきたので、気づいたことをまとめました。そして、CFP®資格審査試験ではどのような準備が役立つかを考えたので、受験前のご参考に。
課目別の要点【 金融|不動産|ライフプラン|リスク|タックス|相続 】
1.学習内容・方法
▶計算問題
CFP®試験は計算問題が多いです。数学が苦手な場合には、計算式を覚えてしまうくらい過去問をひたすらを解きましょう。本来なら計算式の”意味”を理解することが重要ですが、そんな時間がない人は式を覚えるだけでも十分です。まずは合格のために。ちなみに、全ての選択肢で計算が必要になるケースでは、最終肢(四択ですから④)が正答となることが多いようです。出題者の意図が感じられますね。
▶文章題
法律の解釈やら商品・サービスに関することは、とにかく覚えるしかありません。しかし、やみくも覚えるのは非効率です。
類似した仕組みは図で覚える。
仕組みそのものよりも、理解した上での応用問題にも発展します。
「延長保険と払済保険」「コールオプションの買いとプットオプションの売り」「元利均等返済と元金均等返済」など。
類似した仕組みは図で覚える。FP/税理士 waa.genn.
類似した単語の意味は表で比較する。
試験で問われやすいですね。とくに説明が入れ替わっているとか。
「贈与税の”配偶者控除”と相続税の”配偶者税額軽減”」「”固定資産の交換”の特例と”事業用財産の買換え”の特例」「利付債券の”市場価格”や”理論価格”の計算方法」など
類似した単語の意味は表で比較する。FP/税理士 waa.genn.
流れで覚える。
個々の事象を覚えるよりは、流れとして理解するほうが、計算や長文での質問にも正答しやすくなります。
「贈与税の計算」「自社株の相続税評価」「個人年金の課税」「介護・育児休業法」「開発許可制度」など。
流れで覚える。FP/税理士 waa.genn.
自分ごととして覚える。
身近な設定・・・自分の家族や友人などが登場すると理解が深まります。
「相続分(ウチの家族なら?)」「加入している保険契約(誰の事故が補償対象か?)」「遺族年金(受給権者は誰か?)」など
自分ごととして覚える。FP/税理士 waa.genn.
▶時事問題
出題は少なくなりつつあります。しかし、確実に合格圏内に到達するには重要な問題です。試験の数か月前には問題が完成しているはずですから、それ以前~1年前くらいまでに公表された事項は確認してきたいですね。
- 金融 日銀や内閣府の発表、GDPなどの景気/経済指標
- 不動産 地価動向
- ライフプラン (年金関連・雇用関連の法改正内容)
- リスク管理 保険文化センター統計調査資料
- タックス&相続 (税制改正を反映した計算ができるか)
2.学習スタイル・クセ
▶自分の特徴
自分の特徴を知ると、効果的な学習ができると思います。教材を読むときには、以下の方法をおすすめします。
- 映像で覚えるタイプの人
図表を書いて覚えることを優先しましょう!あるいは、テキスト等、スナップショットのようにひたすら眺める。 - 読んで情報を得るタイプの人
呪文のようにブツブツ言いながら覚えるのが良いでしょう!自分で発した言葉って、かなり記憶に繋がります。 - スッキリ感、納得感を大切にする人
教材よりも、ひらすら過去問を回答して、理解できていることを確認しましょう!回答手順を決めておくのも効果的です。
▶必ずお願いしたいこと
全然覚えることができないことや、まったく理解できない内容は、信頼できるサイトや書籍で調べましょう。分からないまま放置せず、理解できるまで調べることが大切です。ですから、はじめに「何が・どこが」「分からない・覚えられない」のか、明確にしておく必要があります。
▶できればお願いしたいこと
複雑な計算式ほど、深い意味をしっかり理解できていると応用問題にも難なく正答できるようになります。
- 金融
債券金額(市場価格/理論価格)、先物理論価格、ポートフォリオの評価 - 不動産
譲渡所得(譲渡益の計算)の特例、特定道路を考慮した容積率、効用積数(固定資産の交換) - ライフプラン
公的年金の受給額、6つの係数、ローンの返済額 など
3.回答順
概ね決まった順で出題されます。自分なりの回答順を決めておくと良いです。
- 文章題から解く
解答時間が短くて済むので、問題数を早めに確実に消化できます。ただし、頭の切り替え頻度が高くなります。 - 得意な項目(商品)から解く
自信のある分野から回答するのも良いでしょう。過去問をたくさん実践してきた人は自分の得意/不得意を理解しているはずなので、得意な者が順々にクリアし、最後に十分考える時間を用意しておくと良いです。 - 初めから順番に解く
とにかく先頭から解くのも良い方法です。というのは、まれにマークシートのチェック欄を間違う人がいるからです。1問ずつ解答し、つどマークするのも安全な方法だと考えます。
4.回答スピード向上のコツ
- 時間のかかる問題は最後に。
問題(条件)が長かったり、解答に時間がかかるものについては、最後にゆっくり回答するのが良いでしょう。その他の問題について、せっかく理解しているのに回答時間が無いのはもったいないです。どのような「回答順」を選んだとしても、これだけはぜひ、守ってください。
- 問題文のクセ=「適切」か「正しい」か。
「必ず」「例外なく」「~に限る(~のみ)」には注意しましょう。多くが“不適切”となりますが、一部“適切”となるケースがありますから、必ず確認しておきたい項目です。このような断定的な表現が使われるのは「正しい」「間違っている(誤っている)」を判断する出題です。
一方、「~の場合がある」「~を考慮しておく必要がある」「~の場合が多い」など、“言い切らない”表現の場合には多くが“適切”となります。このような曖昧な表現の場合には「最も適切」「最も不適切」といった出題となります。 - 必ず守ってもらいたいこと=出題頻度。
過去問を最低4回分解答し、出題頻度を確認しましょう。出題頻度の高い項目は、次回も出題されると思って良いでしょう。さらに、そういった出題は確実に正答する必要があります。それは、他の受験者も正答できるからです。それ以外の分野で、自分の得意分野(確実に得点できる内容)を少しずつ増やしていくのが、無理のない学習方法だと思います。
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