2023年第1回試験の分析(CFP®ライフプラン)

 2023年6月11日(日)に、CFP®試験・第1日程が終了しました。3課目めは、ライフプランニング・リタイアメントプランニングです。回答した結果・感想をまとめました。最後に気になる合格ラインのお知らせもあります。

印象

 従来通りの出題構成でした。難易度については、出題項目(問〇)ごとに若干の難易度の変化がありましたが、概して標準的な出題でした。過去問を何度も演習していれば、難なく正答にたどり着けたと思います。

最近のトレンド出題
・労働時間
・年次有給休暇
・国民健康保険料
・任意継続被保険者

細かい知識が必要な出題
・著作権法
・フラット35
・教育一般貸付
・中小企業退職金共済

 では、出題内容を振り返ります。※各段落の末尾にあるのは(正答したい問数/全出題数)です。

問1|FP関連業法

 CFP®認定者の原理原則[問題1]は理解しておくとして、著作権法[問題2]は細かい知識が必要でした。消費者契約法[問題3]の基本知識は、実務上で必ず理解しておきたい内容です。(2問/全3問)

問2|ライフプランに関する情報

 資料情報だけでは理解できず、一般論・一般知識が求められる内容でした。(0問/全1問)

問3|キャッシュフロー表、6つの係数

 6つの係数の活用方法の理解[問題7-8]【過去の出題解説】は、回答時間に余裕がある場合に回答するとして、少なくともキャッシュフローの理解[問題5-6]について、電卓の使い方を含めて即答できるよう練習しておく必要があります。

 久しぶりに、回答に時間のかかる出題が多かったように感じました。(3問/全4問)

問4|住宅取得資金・教育資金

 元金均等返済の出題[問題9]は基本的な知識を充分に理解しておく必要があります。過去問を繰り返し演習し理解していれば、と即答できる内容でした。その他の計算[問題10](購入可能物件)。

 フラット35[問題11]、教育一般貸付[問題12]の知識を問う出題がやや難題でしたが、貸与型奨学金[問題13]、貸金事業法[問題14]は正答しておきたい容易な内容でした。(4問/全6問)

問5|働き方関連法…雇用保険、労災保険、育児・介護休業法

 最近出題が多い項目です。前回に続き、出題が多く続きました。

 労働時間[問題15]、年次有給休暇[問題16]は近年出題が多い内容でした。休業補償給付[問題18]や高年齢雇用継続給付金[問題19]は基本的な知識から計算するものでした。一方、最低賃金[問題17]の知識、教育訓練給付[問題20]の基本知識は最新の知識が必要でした。

 育児介護休業法[問題21-22]は近年の出題通りでした。(5問/全8問)

問6|健康保険、介護保険の保険料など

 詳細な知識をもった上で、計算に取り組む出題が続きました。計算は単純ですが、条件判定などが厄介でした。国民健康保険料[問題23]は”妻が負担すべき保険料”が理解できているか、被用者の社会保険料のルール[問題24]について、基本事項が問われました。その上で正確な計算が必要でした。また介護保険料の判定[問題25]、年金額の改定のルール[問題26]、社会保険等の適用事業所[問題27]については、これまで多く出題された内容なので、できるだけ多くの正答を得たいところです。(3問/全5問)

問7|協会けんぽ

 任意継続被保険者[問題28]、被保険者の資格[問題29]は、最近は定番の出題です。基本事項を詳細に理解しておく必要があります。

 また、傷病手当金の要件[問題30]、高額療養費の計算[問題31]【過去の出題解説】は、ほぼ同様の出題が続ているので、正答してきたいものばかりです。(3問/全4問)

問8|公的年金

 老齢・障害・遺族給付の計算問題の出題がありました[問題32-35,37]。各給付の全体像を理解していれば正答できます。また最近では年金等の社会保険の併給に関する知識[問題36]が問われることが多くなりました。
 寡婦年金等の遺族給付[問題38]、在職老齢年金[問題39]、保険料の納付特例[問題40]については、やや細かい内容まで問われる出題が続きました。(5問/全9問)

問9-10|中小企業退職金・企業年金、資金計画

 確定給付企業年金[問題41]、確定拠出年金[問題42]については、できるだけ得点しておきたい内容でした。中小企業退職金共済[問題43]は従来よりも細かい内容を問うものだったので正答できなくても構いませんが、共済金[問題44]や退職所得[問題45]の計算は定番ですので、必ず計算できるようにしておく必要があります。

 また、キャッシュフロー表の穴埋め[問題46]についても、最近は定番と言っても良い内容なので、取引と仕訳の関係を正しく理解しておく必要があります。(4問/全6問)

問11|リタイアメントプランニング

 公正証書作成手数料[問題47]の計算、後見制度支援信託[問題48]、介護施設等[問題49-50]など定番の出題となりました。繰り返し出題されているので、できるだけ多く正答しておきたい出題でした。(3問/全4問)

さて合格ラインは

 これまでと同水準でしょう。今回まとめた「正解しておきたい」出題数が32問/全50問でしたので、この前後でしょう。

 今後、社会保険制度の改正が続くと見込まれます。とくに、健康保険料の増加や、育児・介護に関するルール(支給要件)の緩和、労働環境の厳格化など、報道での確認が必要ですね。そのために、現状がどうなっているのかの復習もお願いします。

【2023年7月20日追記】
 2023年7月19日に合格ラインが公表されました。27問以上が合格とのことです。私の予想は厳しめでしたね。細かいところまで注意が必要な出題が多かったのですが、ここまで受験された皆さんが苦戦していたとは思いませんでした。

 なお、今回の試験(2023年第1回)の解答解説を含んだ「新・図解」は2023年7月末に発売予定です。

■合格したいあなたへ(各課目の要点解説)
 金融不動産ライフリスクタックス相続

■試験対策(2024年第1回試験向け)
 最新版オリジナルテキスト(購入)テキスト訂正事項受験対策講座

■CFP®試験・ライフプランについて
 ・ライフ/リタイアメントプランに合格したいあなたへ
 ・試験分析/ライフリタイア 2021年 第1回 第2回
 ・試験分析/ライフリタイア 2022年 第1回 第2回
 ・試験分析/ライフリタイア 2023年 第1回 第2回

北海道うまれ。札幌、東京、大阪、岡山など、全国各地でセミナーや講演活動を行い、好評を博す。2013年より「健康なお金の専門家」として、日経新聞の読み方教室、資産運用や税金対策、資格取得講座を中心に、”見えるお金・分かるお金・せせらぐお金”の探究を楽しんでいる。