CFP®試験の分析(2021年第2回ライフプラン)

 11月14日の試験(第1日程)を分析し、出題内容を振り返ります。
 2020年第1回試験が中止となり、出題傾向の把握が難しくなりましたが、それ以降の開催により徐々に傾向がわかってきました。

ライフ・リタイアメントプランニング

 計算問題よりも知識を問うことに重点が置かれた出題です。2級AFPで学習したことに加え、

  • 時事問題(高齢者住居、育児、労働基準、生活困窮者、労働環境)
  • 他の課目との関連問題(税金や金融商品)

も必須事項です。社会保険をはじめとした法改正にも注意が必要です。

≪知識問題≫

 出題の多くは過去にも類似した出題がありました。資料の読み取りや、図式の理解は、過去問で何度も練習していれば簡単な内容です。出題が多岐にわたるので、定番問題からクリアしましょう。

  • コンプライアンス
    CFP認定者の倫理原則、クーリングオフ(特定商取引法)
  • 住宅資金
    フラット35
  • 教育資金
    教育一般貸付、貸与型奨学金
  • 雇用保険
    特定一般教育訓練給付、高年齢雇用継続給付、基本手当の給付日数
  • 労災保険
    休業補償給付
  • 介護保険
    利用者負担割合、介護サービス
  • 健康保険
    強制適用事業所、任意継続被保険者、傷病手当金
  • 公的年金
    加給年金額(高齢厚生年金)と振替加算(老齢基礎年金)、繰下げ受給、遺族年金の支給調整、寡婦年金と死亡一時金、障害給付の受給要件
  • 企業年金
    確定給付企業年金、企業型確定拠出年金、国民年金基金

≪時事問題≫

 専門性の高い出題が多いですが、出題内容が固定化しています。初めての出題については、得点できなくても仕方ありません。得意分野で確実に得点しましょう。すべてを覚えることは効率の良い学習方法とは言えません。

  • 情報収集
    男女共同参画白書、医療費控除、行動ファイナンス、紛争解決委員会
  • 労働基準法
    労働時間
  • 育児・介護休業法
    看護休暇、介護休業/介護休暇
  • 高年齢者雇用安定法
    高年齢者就業確保措置
  • 中小企業倒産防止共済制度
    掛金、借入限度、解約手当金
  • 老後資金計画等
    後見制度支援信託、サービス付き高齢者向け住宅

≪計算問題≫

 出題形式を大きく変更したようです。しかし、内容はほぼ定番と言えるものでした。ほとんどの出題は回答に時間がかかるので、文章題や時事問題を早々に終えて、計算問題に時間をかけると良いでしょう。
 6つの係数に関する出題は1問だけになったのには驚きました。その代わりに初めて出題されるものをありましたが、過去に類似した出題があったので、いかに過去問に取り組んでいたかが問われています。

≪総括≫

 過去問で繰り返し演習するのはもちろん、あらゆる計算問題に対して「自分なりの解答方法」を確立しておくことが大切です。時間のかかる出題や、まったく見当のつかない文章題などは、受験者を混乱させるための出題ですから、回答ペースを決めておくことも大切です。

≪補足≫

 次回以降に受験される方は、今回出題の無かった下記項目についての学習もお願いします。

<計算問題>

  • 在職老齢年金、雇用保険と年金の併給
  • 自動車の残価設定ローン
  • 傷病手当金
  • 中小企業の資金繰り
  • 公正証書の作成手数料

<基本知識>

  • コンプライアンス;著作権、個人情報保護法
  • 社会保険;年次有給休暇、年金生活者自立支援給付
  • 社会福祉;日常生活自立支援、成年後見制度、不動産担保型資金貸付

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東京うまれ。札幌、東京、大阪、岡山など、全国各地でセミナーや講演活動を行い、好評を博す。2013年より、日経新聞の読み方教室、資産運用や税金対策、資格取得講座を中心に、”見えるお金、分かるお金を、使えるお金に。。。”の探究を楽しんでいる。