2022年第1回試験の分析(CFP®ライフプラン)

 ライフプランの出題は、毎回新しい分野(制度や時事ネタ)が盛り込まれ、苦戦することが多い課目です。今回(2022年第1回)の試験がどのような構成だったのか、確認します。

時事問題はほどほどに、定番問題を着実に

 初めて出題される法律、制度などの出題もありましたが、従来通りの出題が大半でした。中には難題もありましたが、過去問をじっくり演習していた人にとっては、合格へ近づいたと言えるでしょう。

 第1日程の3課目「金融」「不動産」「ライフプラン」とも標準的な出題構成でしたが、やや出題内容に変化、難化があったように感じます。

 さっそく、回答して難易度を確認しましたのでお知らせします。
※各単元の文末(●問/全■問)は、「全■問のうち●問は正解しておきたい」という意味です。

問1|関連業法

 FP協会の会員倫理規定、消費者契約法に関する定番の出題でした。(1問/全2問)

問2|ライフプランニングに関する情報

 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律(問題3)は初めての出題でしたが、一般的な知識で十分判断できる内容でした。また、日常生活自立支援事業(問題4)は、最近の頻出問題ですので、正解しておきたいところです。(2問/全2問)

問3|キャッシュフローの理解

 キャッシュフローの穴埋めが2問、6つの係数を用いた計算が2問。時間のかかる問題が連続すると、相当な体力の消耗にもつながります。時間をかければ回答できるとしても、あとの問題に対応する時間がなくなってしまいます。回答順序を考えて対応しましょう。難易度としては、それほど難しいものではありませんでした。(2問/全4問)

問4|住宅取得資金、教育資金

 購入可能物件に関する出題と、6つの係数を用いた計算が定番です。住宅ローンの計算では「資本回収係数」「年金現価係数」の意味をしっかり理解できていることが大切です。借り換え時点での残債を確認するのは、「年金現価係数」を使います。

 教育資金に関して、教育一般貸付(問題13)、貸与型奨学金(問題14)は細かい事柄まで問われましたが、できなくても気にする必要はありません。(5問/全7問)

問5|労働関連の法律、雇用保険

 最近、出題数が多くなってきた分野です。労働基準法(問題16-17)、育児・介護休業法(問題18)、雇用保険の給付(問題20-22)については必ず得点しておきたいレベルです。いずれも社会問題化しているテーマで、改正も多い分野ですから今後も出題が多いでしょう。

 今後受験される場合には、「育児」「介護」「労働」「雇用」とテーマを絞って、集中して学習することをお勧めします。日常生活にも大変役立つテーマですし。(5問/全8問)

問6|健康保険の保険料、介護保険

 保険料の計算ルール(問題24-26)が理解できていることが大前提、、そして健康保険周辺の知識を問うものまで、さまざまな出題でした。保険料を「誰が、何を基準に」支払うのか、どのような「給付」を受けることができるか、わりと基本的な内容な出題でした。(4問/全6問)

問7|協会けんぽ

 被保険者(問題30)、被扶養者(問題31)についての知識は必ず理解しておきたいレベルです。傷病手当金の計算(問題32)は定番ですので、落ち着いて回答すれば正解できたはずです。

 そして、高額療養費については、久しぶりに”最難関”の出題でした。前期高齢者の両親と、現役世代の世帯主がいる家庭での”払戻額”です。一度でも過去問に挑戦して理解を深めていれば難なく回答できたでしょうが、問題文をひとつひとつ理解しながら進めるようだでは、時間がかかるなど苦戦したと思います。(3問/全4問)

問8|公的年金

 これほどまでに連続して出題がある場合、年金制度全体を理解している人とそうでない人とで、かなりの差が出ます。老齢給付、障害給付、遺族給付とも受給要件・対象者を理解したうえで、受給額を計算するものが中心でした。障害給付、遺族給付の受給要件については少し難易度が高かったように感じます。

 おそらく、問8の正答数で合否が分かれるのではないでしょうか。(6問/全9問)

問9|企業年金、退職金

 国民年金基金、小規模企業共済に関する出題(問題45-47)は落ち着いて回答し、着実に正答しておきたいレベルでした。(3問/全5問)

問10|中小企業の資金計画

 キャッシュフロー計算書(問題48)は勘定科目の意味を正確に理解しているか、タックス金融にもつながる大切な知識です。(1問/全2問)

問11|公正証書作成手数料

 定番の計算問題でした。表の読み取り方法に関して従来の出題と異なる部分がありましたが、必ず得点しておきたい内容です。(1問/全1問)

さて合格ラインは

 7月20日(水)に公表されます。合格ラインはこれまでと大差ないと思います。今回まとめた「正解しておきたい」出題数は33問/全50問としましたが、ちょっと厳しめに評価しています。

※合格ライン;29問でした。(7月20日発表

 今回の試験(2022年第1回)の解答解説を含んだ「新・図解」は2022年8月初旬をめどに製作しておりますので、ご希望の方は、もう少しお待ちください。

■合格したいあなたへ(各課目の要点解説)
 金融不動産ライフリスクタックス相続

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 ・試験分析/ライフリタイア 2021年 第1回 第2回
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東京うまれ。札幌、東京、大阪、岡山など、全国各地でセミナーや講演活動を行い、好評を博す。2013年より、日経新聞の読み方教室、資産運用や税金対策、資格取得講座を中心に、”見えるお金、分かるお金を、使えるお金に。。。”の探究を楽しんでいる。