2023年第1回試験の分析(CFP®金融)

 6月11日(日)に、CFP®試験・第1日程が終了しました。まずは、金融資産運用設計について回答した結果、感想をお知らせします。

総括

 相変わらず、出題者の趣味と人生観にしたがって出題されている印象があります。細かいところまで理解したうえで、さぁ計算できますか?といった出題が散見されました。一方で、債券に関する出題は、前回の出題があまりに”どうでも良い”出題だったため、かなり難易度が下がりました。

 株式の損益、課税に関する出題は”知識”として知っておきたいものの、投資家自身が計算できる必要がるのかは疑問です。

 外貨建て商品については、相変わらずのマニアックな出題でした。ここに時間を割くようなら、他の出題に注力したほうが良いと感じるものでした。ただし、前回よりも容易に解答できる時事問題や計算問題があり、得点源となったかもしません。

 では、さっそく出題内容を振り返ります。※各段落の末尾にあるのは(正答したい問数/全出題数)です。

問1|各種経済指標

 在庫循環、物価指数、GDPなどに関して、これまでも多く出題された内容です。正しく正確な理解が求められる内容でした。いずれも、特段、難しい内容ではなかった出題です。必ず知っておきたい大切な指標です。(3問/全4問)

問2|経済や金融市場の動向

 プライマリーバランスに関する知識[問題5]、時事問題[問題6~7]でした。
 景気・物価の良し悪しについて、何がどう作用するのか、その結果がどうなのるのかといった基本事項を理解しているかを問う内容でした。

[問題6]ベントアップとは?
[問題7]世界経済における労働市場

の理解が必要でした。(1問/全3問)

問3|貯蓄型金融商品

 定番の計算[問題8]と、商品理解[問題9-10]でした。できるだけ得点したい内容ですが、商品理解に注力するのは、あまり得策とは言えません。(2問/全3問)

問4|財形貯蓄と確定拠出年金

 従来通りの出題でした。(1問/全2問)

問5|株式(投資尺度・財務諸表)

 計算にあたって、どのように計算するのか(期末値か平均値か)が理解できていれば、ひさしぶりに容易な出題でした。(1問/全2問)

問6|株式(税務)

 譲渡損益・配当利子[問題15]については、今回も引っ掛け要素、詳細の理解が必要でした。ここで得点できなかったとしても、株式に関する税制[問題16]、上場株式の取引制度[問題17]については理解しておきたいところです。裁定取引に関する問題[18]は十分な理解が必要でした。(2問/全4問)

問7|債券

 前回(2022年第2回)の出題があまりにもマニアックで、知識よりも計算能力、数学的知識を問うもので非常にがっかりました。

 その反省なのか、ずいぶんと基礎知識を問うものに変化しように思いました。[問題19]は基本的な理解、[問題20]は無視すべき理解不能な出題、[問題21-22]は過去にも例題あり、[問題23-24]はかなり細かい知識問題でした。

 計算問題に取り組むよりも、知識問題で理解を深めることが重要です。(3問/全6問)

問8|投資信託

 定番の計算問題が続きました【収益分配金】【解約時の課税】【トータルリターン】です。その他、投資信託の一般知識[問題28-29]が続き、大きな得点源になったのではないか?と思われます。(3問/全5問)

問9|ポートフォリオ理論

 標準偏差、収益率、シャープレシオやジェンセンのαに関して基本的な理解を求める出題が続きました。行動ファイナンスやモダンポートフォリオ理論[問題34-35]については、あまり注力する必要がないと思います。考え方を理解していればよく、名称など覚える必要はありません。(4問/全6問)

問10|外貨建て商品

 [問題36][問題37]は、回答時間に余裕があれば回答しましょう。外貨建て保険商品に関する課税[問題38]、為替レートの動向[問題39]、外国株式に対する課税[問題40]は、理解しておきたいところです。(3問/全5問)

問11|デリバティブ商品

 オプション取引の戦略[問題41]、オプションの価格[問題42]、先物ヘッジ[問題43]、先物理論価格[問題44]は、過去問演習ができていれば容易に回答できる内容でした。バイナリーオプションに関する知識は経験がないと理解できない内容でした。(3問/全5問)

問12|制度・法規

 税制(申告方法の違い)に関するもの[問題47]、各種法律の改正事項など[問題48-50]については、正確な知識が求められる内容でした。金融商品を取り巻く法整備については、正確な理解が求められます。確実に得点しておきたい内容です。(3問/全5問)

さて合格ラインは

 これまでと同水準でしょう。今回まとめた「正解しておきたい」出題数が29問/全50問でしたので、この前後でしょう。

 【2023年7月20日追記】
 2023年7月19日に合格ラインが公表されました。27問以上が合格とのことです。今回も難問が多かったようですね。

 今回の試験(2023年第1回)の解答解説を含んだ「新・図解」は2023年7月末発売予定です。

■合格したいあなたへ(各課目の要点解説)
 金融不動産ライフリスクタックス相続

■試験対策(2024年第1回試験向け)
 最新版オリジナルテキスト(購入)テキスト訂正事項受験対策講座

■CFP®試験・金融資産運用について
 ・金融資産運用に合格したいあなたへ
 ・試験分析/金融 2021年 第1回 第2回
 ・試験分析/金融 2022年 第1回 第2回
 ・試験分析/金融 2023年 1回 第2回

北海道うまれ。札幌、東京、大阪、岡山など、全国各地でセミナーや講演活動を行い、好評を博す。2013年より「健康なお金の専門家」として、日経新聞の読み方教室、資産運用や税金対策、資格取得講座を中心に、”見えるお金・分かるお金・せせらぐお金”の探究を楽しんでいる。