2024年第2回試験の分析(CFP®ライフプラン)

 11月10日(日)に、CFP®試験・2024年第2回試験の第1日程が終了しました。ライフ・リタイアメントプランの出題について私が回答した結果、そして感想をお伝えします。

総評

 これまでとほぼ同様の出題内容(分野)でしたが、最新の情報へ知識の更新が必要な分野が多かったように感じます。とくに働き方に関連する出題については難題が多くなった一方、公的年金に関する出題は容易に回答できるものが続きました。

 では、出題内容を振り返ります。各段落の最後には(正答したい問題数/全出題数)を記載します。

問1|FP関連業法

 CFP®認定規準規定[問題1]、著作権法[問題2]は必ず理解しておきたいところです。(2問/全2問)

問2|ライフプランに関する最新情報

 空家等対策の推進に関する特別措置法[問題3]、設備投資における正味現在価値[問題5]は必ず理解しておきたい内容です。また、障害者の雇用の促進等に関する法律[問題4]はとても重要な内容ですので、理解を深めておきたい内容です。(1問/全3問)

問3|キャッシュフロー表、6つの係数

 これまで【2023年第2回2024年第1回】とほぼ同じ出題構成でした。キャッシュフロー表の穴埋め[問題6,7]は、電卓の使い方を含め、即答できるように練習をしておきましょう。6つの係数の活用方法の理解[問題8]【過去の出題解説】は、時間に余裕があれば回答する出題です。従来レベルの出題でしたので、回答できるよう時間配分を考えておきましょう。(1問/全3問)

問4|住宅取得資金・教育資金

 購入可能物件の価格[問題9]は毎回のように出題がありますから、必ず正答できるようにしておきましょう(【購入可能物件の出題】)。繰上げ返済[問題10]についても、出題方法にほとんど変わりないので、年金現価係数・資本回収係数の使い方を理解していれば十分に正答できます(【繰り上げ返済の出題】)。

 フラット35の申込要件[問題11]、教育一般貸付[問題12]の知識、給付奨学金[問題13]、リボルビング払いの返済額[問題14]は何度も出題されている内容なので、大きな得点源です。(4問/全6問)

問5|働き方関連の法律(労働基準/雇用/労災/育児・介護休業)

 働き方関連の知識は最近の時事ネタで、詳細に理解しておく必要があります。出題数が増えています。

 労働時間[問題15]、年次有給休暇[問題16]については定番の出題ですが、かなり詳細な知識が求められました。求職者支援制度[問題17]についても、理解しておきたいところです。

 雇用保険における基本手当の日額[問題18]、就職促進給付[問題19]、継続雇用制度[問題20]についても、正確な知識が必要で、正答必須でした。

 労災保険における休業補償給付の計算・知識[問題20,21]、介護休業[問題22]は、随所に注意が必要でしたが、これまでも頻繁に出題があったものばかりで、できるだけ得点しておきたいところです。とくに、育児休業給付金[問題24]は時事問題として重要な内容ですが、労災保険や雇用保険によける”賃金とは何か”を理解しておくことは、基本中のキホンと言えます。(7問/全10問)

問6|健康保険、介護保険の保険料

 定番の出題です。過去問への取り組み次第で回答のコツが分かり、大きな得点源でした。

 国民健康保険料[問題25]、介護保険料[問題26]、介護保険の利用者負担[問題27]は、コツをつかんでいれば容易に回答できるものでした。

 介護保険制度の知識[問題28]、社会保険の適用要件[問題29]に関しては少し判断に迷ったかもしれません。(3問/全5問)

問7|協会けんぽ

 標準報酬月額の決定・改定[問題30]について、従来より詳細な知識が必要となりました。一方、 傷病手当金の受給額[問題31]、各種給付[問題32,33]は従来の取り組みで十分対応できる定番問題です。(2問/全4問)

問8|公的年金

 老齢給付の計算と知識[問題34-37]、遺族給付の計算と知識[問題38,39]を問うものでした。従来通り、丁寧な計算ができるかを問うものでした。

 年金分割[問題40]、ねんきん定期便[問題41]に関しては、概要を理解していれば十分に対応できる内容でした。計算問題では”うっかり”が生じますが、できるだけ得点しておきたい分野です。(6問/全8問)

問9|企業年金、退職金

 企業型確定拠出年金[問題42]、個人型確定拠出年金[問題43]については、詳細な知識が必要でした。国民年金基金の年金額[問題44]や小規模企業共済の共済金[問題45]は正答必須です。

 特定退職金に関する退職所得の計算[問題46]は、以前、タックスにて出題がありましたが、問題に不備ありあった背景があります。今回は、ライフプランでの出題ということで、丁寧な説明(算出方法の説明)がありました。正確に理解し、他の課目でも正答したい出題でした。(3問/全5問

問10|中小法人の資金計画

 信用保証制度[問題47]は久しぶりの出題でした。余力があれば覚えておきたい内容です。(0問/全1問

問11|リタイアメントプランニング

 任意後見制度[問題48]は、細かい理解が必要でした。公正証書作成手数料[問題49]、高齢者住まい法[問題50]に関しては、過去問への取り組みで十分に対応できる水準の出題でした。(2問/全3問)

さて合格ラインは

 一部にひっかけ要素が多かったり、詳細な知識が必要な出題もありましたが、私が判断した正答しいたい問題数は31問/全50問としておきます。(※下記、筆者メモを参考に)

【筆者メモ】

  • 回答は後回し→7題
  • 従来より難題→13題

■合格したいあなたへ(各課目の要点解説)
 金融不動産ライフリスクタックス相続

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東京うまれ。札幌、東京、大阪、岡山など、全国各地でセミナーや講演活動を行い、好評を博す。2013年より、日経新聞の読み方教室、資産運用や税金対策、資格取得講座を中心に、”見えるお金、分かるお金を、使えるお金に。。。”の探究を楽しんでいる。