11月21日の試験(第2日程)を分析し、出題内容を振り返ります。
2020年第1回試験が中止となり、出題傾向の把握が難しくなりましたが、それ以降の開催により徐々に傾向がわかってきました。
タックスプランニング
出題の大半が計算で、今回は過去最多の9割(45問)でした。ほぼ定番の内容と言えますが、冒頭からボリュームたっぷりの計算でした。所得税、住民税の課税体系全般を正確に理解していることが大切だと言えます。従来通り、引っ掛けには注意が必要です。
《所得税・住民税 / 手取額の計算》
所得税や所得税の計算プロセスを十分理解したうえで、税額を控除した手取り額の計算を問う出題がはじめから連発しました。結構な時間を要したかもしれません。
- 給与所得 源泉徴収票の読み取り
- 退職所得 退職一時金
- 雑所得 個人年金、公的年金/老齢給付
- 譲渡所得 総合課税の資産
《所得税 / 所得の計算、経費》
各所得の計算方法について、何が収入となるのか、どれが必要経費になるのか、各所得独特の計算方法をどれだけ理解しているのかの質問でした。どれも、基本中のキホンでした。所得のみを問う出題は少なくなりました。
- 事業所得
減価償却【詳しい解答解説】、従業員給与/事業専従者給与 - 不動産所得
収入額、キャッシュフロー、青色申告、取得額/取壊し費用、減価償却費【詳しい解答解説】 - 配当所得
上場株式/非上場株式の申告、損益通算、繰越控除、配当控除
《所得税 / 総所得・課税総所得・税額の計算》
何が控除の対象か、控除の要件は何か、基本がどれだけ理解できているのかを問う内容でした。税制改正により新たに設けられた「給与所得における所得金額調整控除」の出題が複数ありました。うっかり忘れてしまっていた人が多かったかも知れません。
- 給与所得
所得金額調整控除
(1)子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除
(2)給与所得と年金所得の双方を有する方に対する所得金額調整控除 - 譲渡所得 総合課税の資産の通算
- 一時所得 生命保険金
- 所得控除/人的控除 扶養控除、配偶者控除、配偶者特別控除
- 所得控除/物的控除 医療費控除
- 損益通算
- 繰越控除 純損失、上場株式の譲渡損、居住用不動産の譲渡損
- 税額控除 配当控除、住宅ローン控除、耐震改修特別控除
- その他 非居住者に対する課税
《個人所得課税》
久しぶりに消費税の納付税額を問う出題がありました。いずれも確実に得点したい内容です。
- 消費税 課税/非課税の判断、納付税額(簡易課税)
- 事業税 損益通算と税額
- 住民税 所得割、申告
《法人税》
法人税も定番が多い出題でした。貸倒損失やCVP(損益分岐点)分析の出題が復活したので、過去問を遡って演習していれば難なく回答できたはずです。一方、法人所得の増減や財務諸表(PL,BS)の出題はなく、残念に感じたひとが多かったかも知れません。
また、法人税でも申告に関すること、必要書類の理解などを問う出題が無くなり、出題傾向が計算問題にシフトしたようです。
《総括》
前回(2021年第1回)では出題のなかった内容が復活したので、過去問での対策が十分であった場合には余裕をもって回答できる内容でした。典型的な出題が並びましたが、冒頭にやや時間のかかる問題が続き、焦ったかも知れません。ちょっとしたミスが合否を分けることになりそうです。
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